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Crimson Saga 80

ヒチョルから惑星通信が入った。

「よう。」相変わらずの目力だ。

カミーラ星人のガイドがついた話をしたら眉をピクリとあげて

「そいつここに呼んでくれる?」というのでロックにいって

セイラを3Dホログラムの前に連れてきた。

セイラは「えっ、まだイケメンがいるの?」とうきうきして出てきたが

ヒチョルの顔をみるとこわばった。

ヒチョルはセイラに向かって「お前さ、もう人を売ることはやめるんだな」といって

セイラを睨みつけた。

セイラはがたがたと震え出した。

ヒチョルは連れてきたロックに「こいつは縛って倉庫にでも放り込んでおけ」といった。

セイラはぎろりと睨まれてロックに引きずられるようにして戻っていった。

俺はセイラとのいきさつを簡単にかいつまんでヒチョルに告げた。

ヒチョルは黙って聞いていたけど、どうやらセイラはハズレのようで、せこい情報やのようだ。

酒場をあさっては男をひっかけ、そこから得た情報を売りあるくようだ。

まあ、俺らの素性は明かしてないけれど、カミーラ星はやめた方がいいかな、と思った。

「でも」ヒチョルは言った。

星系的には悪くない。人口もそこそこ多いし、ジャンクフィールドはたくさんあるし

なにより隠れるのには格好の場所だとは思う。

まあ、カミーラに着いたらそいつをぶん殴ってでも放り出せばいい。

俺様もカミーラ行くんで現地集合ってことでな。」

ヒチョルはそういって通話を切った。

通話を切ってからしばらく俺は考え込んでいた。

生きていくためには必要なことかもしれない。

セイラはそれで生活の糧にしていたんだろうな。

俺もチャンミンに出会うまでは大事なことがなにか、なんていうのはあまりわかってなかったかもしれない。

テプンはあまり余計なことを言ってないだろうと思うが、一応ちゃんと確かめておく必要がある。

俺は倉庫に向かった。

セイラは縛られて転がっていた。

俺が入っていくときっとにらんだ。

「イケメンばっかりって喜んでたのに、あんなやつとつるんでるなんて」

セイラは悪態をついた。

「ヒチョルとなんかあったわけ?」俺が聞くとセイラは「あんたに関係ないよ。

あー、余計な奴に引っかかっちまった」

すっかりもう化けの皮がはがれとばかりに取り繕うこともなかった。

きっとヒチョルにコテンパンにやられたくちなんだろうな。

「人との関係ってさ」俺は独り言のように話し始めた。

「バランスが取れてて初めていい関係、って思えるんだよ。どっちかの比重が重かったり

一方的だったりする関係ってうまくいかない。お前とヒチョルってきっとそういうバランスが

悪かったりするんだろうな。

うまくバランス取れれば、ヒチョルはイイヒトだと思うよ。俺はまだ返せてないけれど

してもらったことはしっかり返して、絆を結んでいきたいと思ってるよ、誰とでも」

セイラはそっぽを向いた。

「テプン、呼んでやろうか?」俺がそういうとセイラは絵?っという顔になった。

「お前、テプンのこと気に入ってたんだろ?情報とれるカモって思ったかもしれねーが

あいつはそういう奴じゃない。テプンのこと、いいなと思ったんだったらいい関係を築けよ。

お前が過去にどういうことをしてきたかは問題じゃなくて、今どうしたいか、今後どうありたいか。

そこをしっかり考えて今を過ごして行けよ。

チャンスはいくらだってある。カミーラにつくまではゆっくり考えたらいい」

俺はそれだけいうと扉をしめた。

まあ、あとで食事を運ぶときにテプンにいいつけて運ばせよう。

なぜだか、せこい情報やだとして、俺らを売ろうとしてたセイラを軽蔑できなかった。

見えている世界ががらりと変わってしまったからなのか。いままでだったら怒ってぶん殴って

(まあ女の子だとそういうわけにはいかないが)軽蔑しておしまい。

ただなんとなく、甘いといえば甘いのかもしれないけれど、世界をかえる努力をしたくなった。

それでもなんとなく、チャンミンに癒されたくなって俺はチャンミンの部屋に滑り込んだ。

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