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Master 20

ドアをあけるとチャンミンがいた。

「ごめん。ほんとにごめん」大きな目からぽろり、と涙が零れた。

きれいだな、と思った。

手を引いて部屋に入ってもらった。

ソファに座らせるとコーヒーを淹れた。

チャンミンはぽつり、ぽつりと話し出した。

「中学んときまでは、俺はオタクだった。好きなゲームをやっておとなしく

教室の隅っこで生息してるやつだった。けど、高校になって自分を変えたい、って思って。

眼鏡をコンタクトにして髪の毛パーマかけて。いわゆる高校デビューってやつをした。

中学の友達が誰もいないところだったからそれをできたんだよな。

女子と話したりとかもできるようになって。友達もできて。

自分が変れたって思ったんだよな。

でも、あいつ、中学の同級生で、高校になってばったり会って。それで....っ」

皆まで言わせないで、僕はチャンミンを抱きしめた。

それって....ひどくないか?変わることが何か悪いことでもあるの?

ずっと抱きしめたまま背中をさすっていてあげると、しゃくりあげていたのは少しずつ

収まってきた。

チャンミンは僕の腕のなかでまた話し続けた。

「いや、俺がちゃんと変れていなかったのがいけないんだ。

中学の時、すきだった人をいつも見ていて、それがさっき会ったやつにばれてたんだ。

高校になった時にばったり会って、「そういえばあいつがお前に会いたがってたよ」って

言われて。のこのこついて行ったんだ。

その人に会えるのならいいな、と思って。まだ好きだったし。

けど....俺がつれていかれた先は、その人だけじゃなくてその人の仲間がたむろっているところで。

俺は無理やり....そいつらに.....」

チャンミンは乾いた声をたてて笑った。

「大したことじゃない。ちょっと野良犬に噛まれたくらいにしか思わない。そう思い込んで

その件は清算したつもりだった。その人にやられてるときも、自分に突っ込んでるやつをみても

なにも感じなかった。ただ、おのれの甘さを恥じた。

俺は強くなりたい。強くなったんだ。そう思ってやり過ごした。すっかり大丈夫だと思った。

けど、ユノのダンスをみて、すげーかっこいいと思ったし、その...エロさを感じてすげー

ムラムラする自分を感じてた。

アイツにあって、まったく自分がそのころと変わっていないのを感じて、情けなくなった。

うん....それだけだ」

チャンミンは顔を上げて目をこすった。

「全然関係のないことなのに、ユノにまで迷惑かけてごめんね。俺は大丈夫。」

大丈夫なんかじゃない。こんだけ傷ついてるじゃないか。

「それに....せっかく護ってくれて、喧嘩までしようとしてくれたのにもお礼を言わないと」

そんなことはどうでもいいんだよ。僕が怒ったのは勝手に。

「怒ってくれて....うれしかったよ」

僕はそのままチャンミンの頭を撫で続けた。

「こんな自分が許せないだけ。ユノの前に立つ資格がないって思うだけ」

んなことあるわけない。

これ以上、チャンミンの哀しい告白を聞きたくなくて、僕は気が付いたら唇を押し当てていた。
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