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Tango Noir71


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空の裂け目からバラバラと鬼神たちが降ってくる姿はぞっとしない。

けれどユノは落ち着いて剣を構え、地面に線を描いた。

「こっからさきは行かせねぇ。」

剣を抱えて走り出し、向かってくる鬼神を斬り捨てる。

ザン、という音をさせて鬼神は煙のように消える。

どんどん斬り進め、煙になった鬼神は川の上を向こう岸へむかって流れて行った。

そういやチャンミンの身の回りに現れる変な輩もたまにあーいう煙みたいのを

だしてたな。俺も見えるようになったってことか。

ところでチャンミンは大丈夫なんだろうか。

体内に怨のかけらが撃ち込まれたっていうし。

そういやヒチョルのわき腹に食い込んだやつも同じようだったな。

怨ってのはおもったよりも強く人を支配するんだな。

待ってろ、絶対に戻って護ってやる。

今度は俺も見えるようになってるはずだ。

これでちゃんとチャンミンを護れる。

ユノはそんなことを考えながら刀を振った。

刀からは血糊でなく、さらさらとした砂のようなものが零れおちる。

「未練はないのか。でも、戻ろうという思いは強いようだな」

男はそういうと槍を構えた。

戻る思いを強く持ってはいけないのか?

まあ、闘わざるをえないのなら戦おう。

そう思って刀を構えなおしたときに、よこの叢からチャンミンがとびだしてきた。

「ユノ!」そういうと手首をつかまれ、またウサギのように叢に飛び込んだ。

いきなりの出現に驚いたが、ユノは一瞬のうちになにがおこったか理解した。

「まさかお前....冥府に来たのか?大妃にやられたのか?」

チャンミンはユノにしがみついた。

胸に顔をうずめたまま「僕はやられてない。自分の意志でユノを探しに来た」

その言葉を聞いて、ユノはうれしい反面、そんな危険なことをするなんて、とやるせない気持ちに

つつまれた。

「なんでそんな無茶するんだよ。戻れるかどうかもわからねーのに」そういいながらも

愛しくて仕方ないといった感じでユノはチャンミンをきつく抱きしめ、背中をさすった。

そういうと「あまり時間がないんだ。急いで戻ろう」といってユノの手を引いた。

叢からでると顔色の悪い男は二人をじっと見て

「運命の導きによって戻るのか」といった。

チャンミンは「いかにも。まだその時でないので」といってすたすたと歩きだした。

男は「ここから去るときは何かを置いて聞かねばならない」といった。

チャンミンは「おいていけるものがあるとすれば」といって右手を出した。

「この腕に巣食う怨くらいしかないけれど」といった。

男はチャンミンの腕のうえに手をかざした。

護符のtatooのようなものがひらりとはがれ、そのしたから黒い煙のような怨が

ひっこぬかれるように出てきた。

怨はばたばたともがくようにうごいていたが、男が手を振ると川の方に飛んでいった。

チャンミンはぺこりと頭をさげるとユノにむきあった。

「さぁ、いそごう」チャンミンはそういうとユノの手をつかんで走り出した。
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