FC2ブログ

MONOCHROME 61

彼女の退院の日。

僕は車で彼女を迎えに行った。

声は出るようになり、少しふっくらとした彼女。

精算をして、彼女にとって久しぶりの外食。

ハンバーグが食べたい、という彼女に付き合って

外観より味で勝負、という店に足を運んだ。

こんなところが彼女らしい、と思う。

たぶん、会社に復帰するためのリハビリなんだろうな。

男ばかりの職場で働いている彼女がまた復帰するための。

頭脳集団で僕より全然頭のいい彼女。

いつも控えめで優しい彼女だったけど

どこかで僕とかみ合わなくなっていたっけ。

そんな彼女がなんで貴方を紹介してくれたのか、僕にはずっと不思議だった。

だって彼女の紹介がなきゃ、僕たち出会ってない。

チーズハンバーグとナポリタンをほおばりながら僕は尋ねた。

「どうして僕にあの人を紹介したの?」

彼女はちょっと寂しそうに笑って、貴方に必要かな、って思って、と答えた。

本能的に、自分じゃだめだってわかってたのかも。

ハンバーグの上に乗せた目玉焼きをつついて彼女は答えた。

ありがとう、と僕は答えた。

たぶん、今の僕をみたら答えなんて一目瞭然で。

頭脳だけでなく人の心を読む機智にも富んでいる彼女だから

きっと僕と付き合っていてくれたんだろうな、と思った。

「これは事故だったし、貴方にはちゃんとありがとう、って言わなきゃって

ずっと思ってたの。いろいろあって時間かかっちゃったけど...ありがとう。」

今日で会うのはおしまい。そう彼女は言った。

入院費立て替えてもらってるからそれは返すね。

あと、、私引っ越すから。

ごめんね。でも、LINEだけは残させてね。何かあったときのために。

友達ではまだ...いさせて....

僕のことをすべて見透かしているような彼女の言葉に

僕はただ黙ってハンバーグを口に運び、空になったお皿を見つめていた。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



Comment

Leave a Reply





管理者にだけ表示を許可する