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Tango Noir46


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ユノは文句を言おうと思った顔だったけれど、ヒチョルの真面目な顔になにもいわずに出て行った。

ユノが出て行った方を見ていた僕に、ヒチョルは「ユノを仲間外れにしたいわけじゃないんだ。

ごめんね、わかってね。俺はチャンミンの力を借りないと戦えないから。」

ああ、この人もまたユノのことを大事に思ってるのかな、と僕は思った。

ちくり、ちくりと胸の痛む理由がなんとなくわかった。

「俺がやられたときに」ヒチョルは服を脱ぎながら話し始めた。

「ユノが倒れた俺のところに来ようとして暴れたらしい。「あいつがやられるわけなんかねぇ」

って騒ぎながら。確かに今まで、俺は誰と戦っても負けた事なんてなかった。

鬼神ともやりあってもいつもやっつけられていたんだよ。

ユノもそばにいたし、俺はユノを護らなきゃいけなかったから。

そうやって闘いながら、助け合いながら生きてきた。」

ヒチョルは服をはらりとはだけると、わき腹の傷を見せた。

まだじくじくとしているその傷あとが生々しい。

「これね」わき腹の傷を見せながらヒチョルは言った。

「「怨」を撃ち込まれたんだ。結界を張ったけど、すこし先っぽがかすった。

だから、実は見た目よりも酷くやられてるんだ。

こういう敵と戦うこと、知っていてほしい。

この体でできることを精一杯やるつもりではいるけれど、意外とこいつは厄介で。

自分の感情に左右されるっていうのがどういうことなのか、骨身にしみてわかったよ。

だから。。。。チャンミンはくれぐれもきをつけて。」

ヒチョルはそういうとそっとほほ笑んだ。

ああ、この人からユノを奪ってしまったのは僕なのかな。

ごめんなさい。

大切に思ってきたんだろう。どんな形にせよ。

僕はそう思うと涙が流れた。

ヒチョルはそんな僕を優しく眺めていたけれど、僕が落ち着いたときにポンポンと頭を撫でて

「そういえばジフンのこと助けてくれた時ってどうやったの?」といった。

そうヒチョルに聞かれたので、僕は一生懸命護符を書いていたこと、それから

袂にしまっておいたこと、そしてそれをジフンを襲っていた鬼神に投げつけたことを話した。

ふむふむ、と聞いていたヒチョル。

ヒチョルは「その護符、一枚くれる?」そういうと僕から一枚受け取り、自分のわき腹にあてた。

じゅっ、と何かが焼けるような音がして、ヒチョルは「うっ...」と顔を顰めた。

「大丈夫ですか?」と肩を抑えると、ヒチョルは「大丈夫。残ってた「怨」の端切れを焼けた。

ありがとう、もう大丈夫。チャンミンのおかげだよ」そういってわき腹を抑えた。

「人間って、いろんな思いに振り回される生き物だから、時々闇に引きずられることがある。

けど、そこから自分の力で立ち直って前を向いていくから幸せに生きていけるんだ。

いろんな感情があることを否定してはいけない。けれど、それに引きずられてしまってはいけないんだ。

チャンミンは強いね。つらい思いをたくさんしてきたからかな。でも、もう大丈夫。

ユノもいるし、俺もいる。誰かのために誠心誠意、尽くすっていうのは並大抵のことじゃない。

本当なら民を護るのは王の仕事であり、それを子が継ぐために王位継承、なんだけどな。」

さらりと言いはなつヒチョルはやっぱりすごいと思った。

「さて、反撃するよ」

そろそろユノがしびれをきらすころだろうから、呼んできて。そういってヒチョルは服をまた身につけた。
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