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Tango Noir43


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宿衛所を訪ねると、兵士がわんさかいた。

ユノの名を告げるかつげないかの間に奥から騒がしい声が聞こえた。

「だからっ!んなことしてっからお前は怪我すんだよ、アホ!

しっかり間合いを取らなきゃだめだ。相手は人間じゃねぇ。一瞬の気のゆるみが命取りだ。

俺が斬らなきゃお前はやられてたよ。命あっただけいいと思え、馬鹿野郎!」

うわ.....ユノの声だ。誰かを叱責しているみたい。

でもああやって怒るときって危ない時だよね。その人を救ったのかな。

こんなときでもしっかり相手のことを考えてる。すごいな。

たった2日しか離れてないのにユノの声を聞いたらなんだか涙腺が....

「あ?俺に客?知るか、....っておい、チャンミン!」

遠くから僕をみつけて兵を突き飛ばしながら走ってきた。

がしっ、と抱きしめられて、思わずぽろぽろとなみだが零れた。

汗と埃に混じって、ユノの匂いがした。

「一人にしてごめんな。先に連れていかれてさっそく一仕事させられたよ。

あ、おい、なくなって、大丈夫かよ。」

みんながみてる前でおろおろするユノは今まで見たことがなくて新鮮で

ちょっと涙が引っ込んだ。

「大丈夫。ちょっと気持ちが緩んだだけだから。」

「怪我したりしてないか?大丈夫か?」

みんなの前だというのにもかかわらず、肩をさすってユノは過保護だ。

この5年ちょっと、ずっと一緒に居たから、というのは理由にはならないかもしれないが

周りの兵士たちもびっくりしたように変貌したユノを見ている。

「ふふ、大丈夫だよ。僕も少しは役に立つことがあるんだ、ってこともわかったし」

ジフンの話をしようとおもっていたけれど、かえって心配しそうな気がしてやめておいた。

「話したいこともあるし、話も聞かせてほしい。ちょっとだけ出られる?」

気が緩んだせいか、このまま眠ってしまいそうなくらい疲れていることに僕は気が付いた。

ユノは「ああ、ちょっとだけ待ってて」といってまた奥へ引っ込んだ。

僕は入口の近くの椅子に腰をかけたところまでは覚えているのだけれど

きっと夜通し馬をかけさせて疲れていたのだろう。

あっというまに意識が泥の中に吸い込まれるようにブラックアウトしていった。

次に気が付いたときは布団に寝かされていた。
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