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Tango Noir3

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この町のはずれにある湖には、人を食らう怪物が居るという噂がある。

魚を取りに船を出して、帰ってこなかった人が何人もいるという噂だ。

とてもきれいな湖でうっとりするくらいきれいな景色なのに、なんだかもったいない。

市場に魚が少ないのはその湖から採れずに隣町から持ってくることになるから、みたいだ。

色とりどりの果物が並ぶワゴンの間を通りながら、僕は人の声に耳を傾けていた。

ふと、3メートルほど先のワゴンの影が黒く陰って、そちらの方に目をやった。

あれは鬼神だ。不慮の事故なんかでいきなり生を奪われて、自分が死んだこともわからないもの。

驚き、怒り、悲しみ。そんなもので異形の者に姿を変えるもの。

そして人に取り付いたりして人を動かして、場合によっては人を殺してしまうもの。

僕は長い間そんなもんを見飽きるほど、見てきた。

うん、あれは鬼神。

今までの僕ならばそのまま見て見ぬふりをしただろう。

鬼神に付きまとわれたり、その存在に気が付いていると相手に気づかせてしまうと

鬼神の意識がこちらに向かってきてしまう。

でも、僕は走り出した。うっそりとうつろな目をむけるその異形の姿に向かって。

僕を守ってくれる軍神が後ろから追いかけてくるのを感じながら。

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