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仕立て屋の恋 71

翌日から僕はパターンを引き、スーツ制作に没頭した。

ユノはちょこちょこ僕の工房に来たが、あまり邪魔すると悪いと思ったのか

長居をすることはなかった。

夕方に迎えに来てくれて、一緒にご飯食べて、僕の家で寝る、なんて生活が続いた。

僕はそんなユノの心遣いに感謝しつつも、リミットまでにスーツを仕上げなければ、という

ちょっとした焦りに駆られていた。

1着目の仮縫いが出来たときにシウォンさんに連絡を入れた。

「日数も限られておりますのでできれば仮縫いのタイミングで試着をお願いいたします。」と

お伝えすると来てくれる、とのこと。

きっとユノのようにお金持ちなんだろうな、となんとなくその時はぼんやりと思っていた。

シウォンさんが到着して僕は仮縫いをしたスーツを着せかけていたら扉があき

ユノが入ってきた。

「お前...なんでここに?」

「お前こそ、どうして?」

え?二人は知り合い?

まあ、ありえないことではないと思ったけど。

「そうか。だからか」にやりとシウォンさんが笑った。

ユノはきっとシウォンさんをにらみつけると

「俺のチャンミナに変なことしたらただじゃおかないからな」と言った。

え?え?どういうこと?

「俺は依頼主だよ。まあ、確かにすげー好みだけれど」

「おい、シウォン、ふざけんな」

僕の仮縫いしたスーツごとつかみかけたユノ。

一寸待って。ユノとシウォンさんは知り合いみたいだ。

だけど、どうしてここに来たんだろう。聞くべきことではないと思ったので聞かなかったけど。

僕を置き去りにした話は進んでいく。

えーっと、もしかしてシウォンさんは「そっちの人」?

にらみ合う二人の間で固まってしまった僕だった。
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