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仕立て屋の恋 28

「あの...」向かい合って食事を始めながら僕は言った。

「今日は仕事なんで、僕は行きますけど、ここにいていただいててもかまいません。

あと、僕の家は狭いですけど、いつ来ていただいてもかまいませんよ。

それでユノが落ち着くなら、僕のところでよければ隠れ家として使ってください。」

今の僕にいえる精一杯の言葉でユノを想う僕の気持ちを伝えた、つもり。

ユノはヒマワリのようにぱぁ、っと笑って、「まじ?すげー嬉しい。チャンミン、ありがとう」

と食卓を乗り越えて抱き着いてきそうになったので急いで押しとどめ

「わっ、わかりましたからまずはご飯を食べて!ほら、目玉焼きの黄身、口の横についてます!」

「えっ?どこ?」「ここです。ほら、ティッシュ上げますから」

「チャンミン、拭いて?」

....ユノは恐ろしく甘ったれということに気が付いた僕。

ティッシュで口元をぬぐってやり、いや、僕の邪な心は朝食を口に運ぶユノの口元を

ずっと視線の端に入れながら、なんとか食事を終えた。

「俺、今日ここにずっといていい?」

「僕は仕事ですが、それでもよければ。ちょっと補正のお客様いらっしゃるんで。」

「じゃあ俺は仕事ないからここにいるね」

「わかりました。じゃあ、行ってきます。」

なんか新婚夫婦みたいだなと思った自分の考えにツッコミを入れながら

僕は支度をして玄関で靴を履いた。

けど、現実はそう甘くないんだね。

昼過ぎにカトクが鳴り「ちょっと会社行かないとダメ見たい。行ってくる」

と入っていて、「そうですか。気を付けて、頑張ってきてくださいね」と送った

僕のカトクは既読になることがなかった。

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