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Last Humanoids14

「こんにちは。私の名前はチョン・ユンホと申します。本日は皆さんに新しい研究の成果を発表したいと思います。私は一体のAndroidを作成いたしました。Humanoidタイプで最も人間に近い形を制作しました。紹介します。コード番号はC-88。よろしくお願いいたします。」びっくりしたのだけれど、僕とそっくりな人が後ろから歩いてきた。「みなさん初めまして。C-88です。よろしくお願いいたします」何のどっきりだ?これ。僕は胃のあ...

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Last Humanoids13

宇宙旅行のためにもともとHumanoidの研究ってのはされていた。僕のいたラボでもそういうことをしていたんだけれど倫理的な問題がまだ解決していなくて、人工臓器の研究とか皮膚とかそういうのとは別分野として、あくまでもロボットとしての研究を進めていた。実際に宇宙旅行に研究員として同行させたHumanoidは外装が金属でできていて、生命維持のための宇宙服は必要のないタイプのものだった。法整備が整ってないこの時代にこんな...

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Last Humanoids12

どうしよう......きっと彼に知られてしまっただろう。「彼」をとりもどしたい。その思いで無理やり体を引きずるようにして、恥を忍んで僕はラボを訪れた。「彼」を返してください、と頼むつもりで。ところが、ラボは大騒ぎで、僕は面会することができなかった。なぜなら学会でHumanoidについての発表をすることになったから。しかも、その発表者は「チョン・ユンホ」その人がする、ということになり。ラボの前には記者がおしかけ、...

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Last Humanoids11

そのジェウォンから電話がかかって来たのは「彼」が連れ去られてから3日後だった。「久しぶりの電話でなんなんだが」挨拶もそこそこにジェウォンは言った。「お前、なんてもんを作ったんだよ」「何を?」僕が聞き返すと「ユノの偽物。お前は知らないだろうけど、ちょっとした騒動になってるぜ」ジェウォンが連れて行ったのか?「彼はそこにいるのか?!お願いだから返してくれ!!」「まさか俺がこいつを連れて行ったとでも思って...

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Last Humanoids10

僕と同じ研究所に勤務していたジェウォンという男がいた。ジェウォンもずっと、彼のことを好きだった。僕はそれをしっていた。だって見つめる瞳の中にある色が僕と同じだったから。だけど、彼の隣は僕のものだ。ずっとそうやって、気持ちを隠してつたえることなく、ずっとその隣を護ってきた。ジェウォンにはばれていて、彼の結婚式の前に呼び出された。「お前さ、いいのか?それで」「何のことですか」「ふーん、言わないつもりか...

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Last Humanoids 9

机の上には置手紙が一枚、残されていた。「彼」は自分の意志で出て行った、と、その紙には書かれていた。「さようなら。俺は帰るよ、チャンミン」どこにでもあるありふれたフォントで、プリントアウトされた一枚の紙を残して。嘘だ、そんなこと、あるはずがない。僕から離れるなんて、そんなプログラミングなんかしていない。だいいち、僕のことを「チャンミン」なんて呼んでない。それに、どこに帰るっていうんだ。これは誘拐だ。...

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Last Humanoids8

けど、僕のささやかな夢は簡単に終わりを告げる。僕が買い物に行っているあいだに、「彼」はいなくなっていた。部屋は荒らされ、「彼」のデータを記録していたパソコンは持ち去られていた。帰ってきて、僕はその光景をみて立っていられず、その場に座り込んでしまった。僕は「彼」を奪われた。そんなことがあるとは思ってもいなかったから、防犯なんて考えもしなかった。家もそうだし、「彼」に関しても。大体、大人だから大丈夫、...

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Last Humanoids 7

僕は「彼」と、穏やかだけれど幸せな時間を過ごそうと決意した。僕は「彼」に「俺のチャンミナ」と言われただけでもう十分だった。時折抱きしめてくれて、愛の言葉を口にしてくれる。自分のためだけに作った「彼」だからそれだけで充分シアワセ、と言い聞かせた。同じ家に暮らし、同じものを食べて、他愛ない毎日を過ごして。そして僕がしてほしかったことをしてもらう。どこにもいかず、僕だけを見つめて。「愛してるよ」優しいア...

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Last Humanoids6

彼のいない世界で僕は生きていけない。けど、彼がいる世界でも僕は幸せにはなれない。身を引き裂かれるこの思いを消したかった。ただ、それだけだった。だから、「彼」を完璧に作った。たった一つ、僕に関する感情を除いては。僕は...僕に対する恋愛感情を「彼」にインプットした。たった一つ、僕が求めていて、彼から得られなかったものを「彼」にプログラミングした。彼が僕に持つことはなかった感情。それが欲しかった。「彼」...

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Last Humanoids5

彼の前から姿を消すときに、僕はこっそりと彼のDNAを持ち去った。夜逃げのように棲んでいた痕跡を消して、彼のいる街を出た時に、リュックの中に放り込んだのは彼がよく使っていた櫛。さらさらとした彼の髪の毛をくしけずっていた櫛をなんとなく持って出た。僕はそれから僕をしる人のいない町に移り住み、「彼」を作った。体躯から皮膚から、容姿からなにから、全部完璧にプログラミングした。人工皮膚も、ほんの少し触れたことの...